第2回 ものづくり中部の地方創生戦略

 今年第2回目の講義は、10月5日(水)6:30~8:30じばさん三重4階研修室にて開催され、ほぼ定員に近い60人の方々が聴講されました。

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 今回は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社・政策研究事業本部の加藤義人主席研究員に「モノづくり中部の地方創生戦略」というテーマでお話し頂きました。

 今回の講義の大きなポイントは、リニア開業後の日本経済の地域構造についてですが、加藤講師は、我々が住むこの四日市市がどの様な立ち位置にあるかを明確に示して頂き、色々と得る所の大きい講義でした。

 まず、講師はこの中部地域について、「脈々と受け継がれてきたものづくり技術を原動力として、中部地域は過去10年の経済成長率が全国の約2倍となっており、まさに日本経済を牽引する地域となっている」と分析されています。

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 その中で、リニア新幹線は、11年後の2027年に、品川~名古屋間の営業が、29年後の2045年に品川~大阪間の営業開始のスケジュールで工事が進められています。

 中部圏がこのリニア新幹線開業による大きな経済効果を享受するには、次の2つの条件を満たす必要があると加藤講師は言われます。すなわち、
1つは、時間短縮が大きく発現すること
1つは、産業・経済集積が大きいこと
です。

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 1つ目の中部地域における時間短縮率を見ると、四日市市は名古屋から40km圏内で、他の市町、豊田市等と比べ、人の名古屋駅へのアクセス利便性は高いと言え、第一関門をクリアしています。更に、将来的に高速道路網についても、第2名神等の工事も進んでおり、物流という面においても優位な立場にあると言えます。

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 2つ目の産業・経済集積が大きいということについても、四日市市は石油コンビナート関連産業があり、ホンダ、東芝、富士通等の企業が控えており、愛知、静岡、三重と中部圏の一翼を担っています。

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 リニア開通後10年以内に愛知県はGRP全国第2位になると加藤講師は予測されています。また、60分または120分という時間圏での圏域人口を見ると、リニア開通後は、現状の2,993万人から開通後は一挙に2倍の5,949人に増えるそうです。特筆したいのが、リニア開業(品川~名古屋)により、2時間圏人口は、名古屋が国内最大となるとしている点です。

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 この様な中、背後圏人口の増大がもたらす新しいポテンシャルとは何なのか、それはICT産業集積を背景に持つロボット産業が重要であるとのことでした。

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