サブプライムローンの落とし穴レバレッジ

 アメリカのサブプライムローンの問題で良く出てくる言葉にレバレッジがあります。住宅価格が右肩上がりで毎年上昇している間には、レバレッジ効果が働くので、できるだけ借金をして不動産に投資すべきと言うものです。この話をもっと実感として理解するためには、レバレッジに関する理論式を眺めてみる必要があります。

画像の説明

 レバレッジを数式に表現すると下の様になります。

投資者還元利益率=投資対象の利益率+

(投資対象の利益率-負債利率)×負債総額/自己投資資本総額

 具体的に数値を当てはめてみますとこの式の持つ意味が良く分かります。今、不動産物件(3,000万円)の価格上昇率10%が見込めて、銀行に借金をする利率5%よりも大きい場合には、例え手持資金が300万円であったとしても、残り2,700万円を銀行から借りてでも投資をした方が大きな利益を得られるというものです。すなわち、負債総額/自己投資資本総額(今回は2700万円/300万円=9倍)の値が大きいほど、このレバレッジ(てこ)の値が大となって利益に効いてくるというものです。

 しかし問題は、(投資対象の利益率-負債利率)が負の値になった時、すなわち不動産の右肩上がりの神話が消えて価格が下落を始めた時が恐ろしいことになります。損失は、先程のレバレッジの値が大きいほど雪だるま式に膨らんでしまうわけです。

 サブプライム問題では、まさにこの現象が起きてしまった訳です。リスクを買い、不確実性に投資をして、リターンの成長を実現させる話が全く裏目に出てしまったのです。このような投資をハイリスク・ハイリターン投資といいますが、投資物件の人気がいつまで続くかを見極めることが重要となります。住宅以外に我々の周りにはこのような案件は色々とあります。例えば時間が経過すればするほど価格が上昇する超高級自動車市場、絵画市場はこれに相当すると考えられます。

 さて、皆さんはこういうものに手を出す、出さないを、どのような判断基準に基づいて行いますか。



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