歴史に学ぶ(No.1)-米・鉄道建設バブル崩壊による1873年金融恐慌

先回の話の中で、少しシリーズで明治以降に起こった金融恐慌を紹介すると言いました。その目的は、金融危機の対処の仕方としては、よく過去の歴史に学べと言われますので、それぞれの金融恐慌は何が原因で起きたのか、どういう形でそれらが終結したのかを学んで行けば、参考になる知見が得られるかも知れないと思ったからです。

 明治以降大きな金融恐慌が現在のものを含めて5回起こっています。最初のものが1873年の金融恐慌で、米国が鉄道建設バブルの崩壊で大打撃を受けました。この時の状況はこうです。アメリカは1840年代に西部開拓を始めました。アメリカ・メキシコ戦争の戦利品として合衆国がメキシコから獲得したカリフォルニアでは、1848年、砂金が発見され、翌49年にはゴールドラッシュとなって全米、全世界から一攫千金を狙う人々が同地に殺到しました。1870年代になると米政府の援助による鉄道建設が推進され、農民のロッキー山脈東側に広がる大平原への入植が開始されました。このとき鉄道建設は右肩上がりの産業でありましたが、1873年にこの移住ブームは終わりを告げました。鉄道建設バブルが崩壊した訳です。そして、金融恐慌となりました。

 ところが、幸いなことに1876年にアレクサンダー・グラハムベルが電話を発明して、通信革命が起きました。それまでの手紙による情報伝達が電話に取って代わったのです。これにより近代化工業社会の開幕となりました。目出度し、目出度しでした。

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