シュンペーターによるイノベーション波動

 これまで金融恐慌の歴史について色々と見てきました。一方で、景気の循環には特徴的なパターンが見られます。そのパターンは、周期の長さによって短いものから下記の4つに分けられています。
(1) キチンの波…周期は約40ケ月で、それらの波の起因は在庫投資
(2) ジュグラーの波…周期は約10年で、それらの波の起因は設備投資
(3) クズネッツの波…周期は約20年で、それらの波の起因は建築物の需要
(4) コンドラチェフの波…周期は約50年で、それらの波の起因は運河等の社会資本財

 ところで、周期が約50年という長期波動のコンドラチェフの波については、実はイノベーション(革新)が経済を変動させるという理論を構築したシュンペーターが技術革新との関連を強調するようになり、これが現在では一般的になっています。

 すなわち、図に示しますように、
第1の波…1983年に始まった鉄鋼、紡績の発展による第1次産業革命
第2の波…1842年に始まった鉄道建設の発展
第3の波…1897年に始まって1920年代がピークを示した電気、化学、自動車の発展
と大きく関連するというものです。

 そのシュンペーターは1883~1950年に生きた人ですので、それ以降については色々な説が出ています。その中に私もうなづける説がありますので紹介します。それは、直近の波は2015年に現れるとするもので、第5番目の長波として太陽光発電、超伝導、電気自動車の産業革命が起こると予測されています。これらはいずれも、オバマ大統領が盛んに言っているグリーン革命の中心となるものばかりです。さて、みなさんの予測はどうなりますでしょうか。

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