Blog20120531

地球温暖化を考える(No.1)-アル・ゴアの訴えかけ

東日本大震災からの教訓(その7)-巨大津波によるゼロサム被害

東北大震災

 2011年3月11日に東日本で起こった巨大地震で、何と言っても我々を震え上がらせたのは、巨大津波の発生でした。これで海岸沿いの住居が壊滅しました。また多くの人々が亡くなりました。津波による被害を見ていて感じることは、津波に遭遇すれば、一瞬にして多くの命が亡くなり、避難できた人だけが助かるということです。怪我をするという中間はありません。正にゼロサムの世界です。だから、津波は恐ろしいし、何としても避難ルートを確保しておく必要があります。

東北大震災

 また、内陸部への浸水は最大6kmとなっています。これによって多くの農地が甚大な被害を受けました。広大な農地が塩水を被ることになり、塩害が発生し、農作業ができなくなってしまいました。未だに塩害を受けた農地の再生は進んでいません。

 通常津波は、海側のプレートが陸側のプレートの下に潜り込み、溜まったひずみが限界に達した時、陸側のプレートが跳ね上がって激しい揺れが起こり、これが海底で生じると津波が同時に引き起こされます。

 ところが、今回の東日本大地震での大津波の発生については、まずは深いところでのプレートがずれで津波が発生し、次に浅い所で更にプレートがずれ、その両方の津波が合わさって大津波になったと言われています。

各地の浸水高
東北大震災での浸水




 一方、津波による浸水高さに関する1つの調査では女川の18.8mが最大でした。また、写真は釜石市の防潮堤ですが、10mあってギネスブックに載るほどの自慢の防潮堤でしたが、写真の様にずたずたにされてしまいました。
 因みに、津波高さの定義には色々あるようで、気象庁が津波警報等で発表する津波の高さというのは、「津波到達時の潮位から津波の痕跡までの高さ」を言うようです。








 下表には津波の高さと被害の関係を示したものです。木造家屋は2m、石造家屋は8mで、全面破壊となります。10m以上が来たらもう手の施しようがありません。

津波の高さと被害程度

 ところで、何人かの地震専門家は、この東日本大震災での巨大津波を予測していました。898年に発生した貞観地震では、津波の高さが20m以上、平野部への侵入深さは6kmと、今回とほぼ同じ規模の巨大津波が東北地方を襲いました。但し、1000年に1回という津波です。産総研の研究者が、この貞観地震の再来の危険性を説明しましたが、自治体の反応は鈍かったと言います。このように、何人かの専門家は巨大津波を予測していたわけで、これを1つの想定として検討すべきであったと思いますが、皆さんどう思われますか。

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