三重大学人文学部と北伊勢上野信用金庫の間で「相互連携協力協定」締結
◆はじめに
北伊勢上野信用金庫(本店四日市市)と三重大学人文学部(津市)が、平成28年5月10日に相互連携協力協定を締結しました。具体的な連携内容は、
(1) まちづくり・地方創生
(2) 地域産業振興・企業発展
(3) インターンシップ
(4) 人材育成の推進
(5) その他
に関する5項目です。
北伊勢上野信用金庫の市川理事長は「連携することで地域に貢献したい」と、一方、人文学部の安食部長は「双方のプラスになることを願っている」と互いにエールを送りあいました。
◆Q&A形式による協定に至る経緯紹介
Q1. どのような経緯で、今回、三重大学人文学部と北伊勢上野信用金庫の連携協力協定が実現したのですか?
⇒ 北伊勢上野信用金庫には、平成20年に設立したコラボ産学官三重支部という150社の会員を持つ産学連携活動機関があります。これまで8年間に渡り、お客様からの技術相談、共同研究の大学への橋渡しを中心に活動を進めてきました。
一方、三重大学人文学部も、これまで四日市市や伊賀市から委託された事業を幾つか進めていました。その中、具体的な事業展開に当たっては、北伊勢上野信用金庫にも協力要請があり、これまで色々な形で連携を取ってきました。
そこで、今回更にその連携関係をより強めようということで、相互連携協力協定締結に至りました。
Q2. 従来の連携活動では何が不足していたのですか。敢えて相互協連携力協定を締結するに至った理由は何ですか?
⇒ これまで北伊勢上野信用金庫では、8年前に設立したコラボ産学官活動を通して地域貢献活動をやって来ました。例えば、私共のお客様である中小企業さんが持つ技術開発テーマを、コラボ産学官がサポートして大学へつなぐという形での共同研究なども年間5~8件程度進めてきました。
具体的なサポートの形態としては、
(1) 単一企業を信用金庫がサポート
(2) 複数企業の連携を信用金庫がサポート
が主だったものでした。
しかし、最近、「地方創生」という国の大きな課題のもと、市町が中心となってその目的実現のために、色々な展開を図っています。市町が展開する事業にコラボ産学官の会員企業を複数参画させ、信用金庫がこれを全体的にサポートすることも必要であるとの考えに至りました。
この市町の動きに対し、大学は企画やアイデア提供等の面で色々とお手伝いできますが、金融機関単独としては、なかなか企画まで入り込んで、きめ細かい活動を進めるという具合には行きません。
そこで、今回三重大学人文学部と連携協力を取ることで、企画まで参画してのきめ細かい活動を可能にして行きます。この様な、大学と金融機関の連携活動は初めての試みであると考えています。
Q3. 相互連携協力協定を締結することで、どのような活動が可能となるのですか?
⇒ 市町が推進する「地方創生」のような事業に対し、三重大学人文学部は企画やアイデアを提供できます。その企画、アイデアに対し、北伊勢上野信用金庫側は、顧客である地域の中小企業様にその実行部隊の役割を担って頂く、そして地域の中小企業様がこの事業に参加して活動するためには、資金的なサポートも必ず必要となって来ます。
その部分を出来る限り支援して行くというのが、今回の相互連携協力協定の内容です。
現在、四日市さんとの間で具体的に進めている事業には、下記6事業があります。
(1) あすなろう鉄道活性化事業
(2) 海外留学生インターンシップ事業
(3) 市民大学「21世紀ゼミナール」
(4) 三重大学「夏休み自由研究教室」
(5) 笹川地区多文化共生事業
(6) 企業訪問BCP策定支援事業
特に、あすなろう鉄道活性化事業と海外留学生インターンシップ事業は、四日市市からの強い要望のある事業となっています。
伊賀地域の事業としては、小水力発電事業と地域おこしを組み合わせた事業があります。
Q4. 今回、なぜ市町、大学、金融機関の3者協定ではないのですか?
⇒ 三重大学人文学部と北伊勢上野信用金庫でまずは連携を組み、市町の事業展開支援要請に対して、実務サイドから積極的にかつ適切な提案をして行こうと言う狙いがあります。
Q5. 相互連携協力協定を締結することで得られるメリットは何ですか?
⇒ 最近の市町の地方創生に絡んだ事業展開おいての双方の役割ですが、大学は企画やアイデア等の面で色々とサポートし、北伊勢上野信用金庫はこの企画やアイデアを具体的に動かす段階で、実行部隊の手当てさらには資金的サポートで支援していく立場となります。
北伊勢上野信用金庫としましても、大学の専門家のお知恵をこの相互連携協力協定を通して拝借できるので、我々の取組みのレベルの嵩上げが可能となります。
Q6. なぜ、北勢地域、伊賀地域をターゲットとするのですか?
⇒ 今回は、北伊勢上野信用金庫の業務テリトリーである四日市市を中心とした北勢地域、伊賀市、名張市を中心とした伊賀地域での地域貢献活動が中心となります。
すでに、これらの地域では、北伊勢上野信用金庫は、コラボ産学官三重支部による共同研究等各種事業を展開してきています。
◆具体的事業展開について
平成28年度に企画している連携事業の詳細について以下に示します。
◆おわりに
中日新聞と中部経済新聞には下記に示す新聞記事を掲載して頂きました。