災害想定と防災計画

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 今回、第3回目の講座ということで、「災害想定と防災計画」および「災害想定演習」を行ないました。この後に事業継続計画というメーンイベントを控え、自分の会社に下記の地震が起きた時に一体どの様な被害イメージを持つのか、また、それに対して考えられる防災対策は何かを考える講座でした。今回の講師は、地域地震情報株式会社の川合専務です。

 被害想定の設定条件は下記です。
・東海・東南海・南海地震連動の海溝型。
・発生時:2011年12月9日(金)15時頃。
・震源:駿河湾/熊野灘/室戸岬沖
・規模:最大M8.7
・震度:最大6強
・津波:熊野灘沿岸=最大10m、四日市港=最大3m。

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 作業内容は、既に宿題として出されていた会社周辺地域の被害想定を示した地図を眺めながら、経営資源の状況把握を進めることでした。具体的な作業は、ヒト、モノ、カネの各種経営資源に対して、現状と条件設定した地震に襲われた時のイメージ、更には、考えられる防災対策をワークシートに埋めるという内容です。

 対策としては、身近な例としての、部屋の家具の転倒防止から始まりましたが、ガイドラインとして60項目に及ぶリストが配られ、これらを受講者が1つ1つ潰していく方式となりました。

 受講者からは液状化に対する判断・対策についての質問が多く出ました。過去における埋立て地ということだけで、またワンポイント調査だけで、行政により液状化指定区域になっているものの、どの程度の液状化が起きるのかの判断指針がないことに対する不満でした。

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 防災計画について、講師からのアドバイスとしては下記がありました。
(1)まず、責任者のリスクマネジメントに対する考え方で、被害のレベルが大きく異なることを、福島第1原発と女川原発を例に挙げて説明がありました。
(2)色々な状況に分けて設定する方が良いとのアドバイスもありました。一般的には、ウィークデイと休日、昼間と夜間の4パターンが良いとのことです。
(3)また、津波についても、想定内の場合と最悪となる想定外についての両方を考えた方が良いようです。基準は取りにくいので、割り切って考える方が良いとのことです。
(4)対策についても、発災前対策と発災後対策の両方について考えた方が良いようです。

 次回は、いよいよ事業継続計画を立てることになりますが、何から手立てを出して行くか、重要な業務は何かについては、経営理念に立ち返って、会社にとって重要なものは何かを整理することが重要であるとのことでした。