危機管理と法令・情報システムの防災対策
2011年11月16日、じばさん三重4Fにおいて開催された『三重大学公開講座 四日市地区リスクマネジメント研究会「企業防災・BCP(事業継続計画)セミナー 第五回」』の詳細です。
まず一部として、三重大学人文学部 前田定孝准教授による「危機管理と法令」についての講義が行われ、労働災害リスクや環境リスクについて想定される事象などが説明されました。
災害によって、企業からの環境汚染などがあった場合、地域住民の健康を守ることと営業の自由とが対立する可能性がでてきます。「リスク」水準をどこでとるかが、規制基準を考える上で重要なポイントになってきます。災害との関係における遵守事項など、現在実施されている手続き等についても説明が行われ、その問題点などが確認されました。
また二部として、渡辺コーディネーターより、「情報システムの防災対策 ~災害に強い情報システム構築を目指して~」と題して解説が行われました。
情報システムの障害で発生する問題点の例としては、次のようなものがあります。
営業:締め日なのに請求書がだせない
会員サービスが継続できない
商品の発送支持がだせない
工場:生産ラインが稼動できない
人事:総務:安否確認ができない
給与の支給ができない
経理:入金や支払いの記録がなく、取引状況がわからなくなる
財務報告書が作成できない
取引先への支払いができない
自社にとって重要な有価証券や顧客情報等については、書類の写しやデータを、会社とは別の場所に保管することも対策の一つです。対策のまとめとしては、下記の通りです。
1.対象情報の管理方法の決定
2.日常トラブルの予防策
①掃除 ②事故防止 ③熱・埃・たばこ対策
3.災害を想定した予防措置
①転倒防止 ②耐震化 ③非常用電源 ④回線二重化
4.システムが全壊した場合の代替措置
①バックアップオフィス ②代替要員
5.上記手順を明確化した上での実地訓練と効果確認
そして三部は、地域地震情報株式会社 川合一明氏も加わり、最終回の発表会にむけての個別相談を行いました。各参加企業が事前に準備を行った「緊急連絡網」「従業員安否確認リスト」「取引先の被害状況調査表」等について、各自講師らに確認をとっていました。
各参加企業の担当者は、事業継続戦略のまとめ、次回までに社内承認を得ることとなっています。
最終回は、相互啓発と情報交換のための発表会が開催されます。各自持ち時間10分で、発表、質疑、講評が行われます。