歴史に学ぶ(No.6)-ブロードウェイミュージカルからトーキー映画へ

 100年に1度と言われる1929年の金融恐慌の前後で、芸術の面で何が起こったかについて見てみます。この時期、恐慌前はブロードウェイミュージカルの全盛時代を迎えていました。表面的には一見華やかに見えますが、実はこの時代1920年から14年間禁酒法が制定され、アルカポネをはじめとするギャングが大暴れした時期でもあります。しかし、金融恐慌の後は、かつての華やかさは消えて、チャップリンが活躍したトーキー映画の世界が台頭してきました。

 余談になりますが、今年2月にブロードウェイ・ミュージカルの1つ「ドロウジー・シャペロン」を見る機会がありました。主演は当時まだ離婚前の藤原紀香で、木の実ナナ、小堺一機、なだぎ武、等のそうそうたるメンバーが、賑やかで、楽しげな昔懐しのミュージカル・コメディーを繰り広げていました。宮本亜門の演出によるもので、話の内容は小堺一機扮するマンハッタンのあるアパートの住人が、お気に入りのブロードウェイ・ミュージカルのLPレコードをかけると、古ぼけたアパートの一室がみるみるうちにブロードウェイの華やかな舞台に変わるという設定です。作品のストーリーは、ブロードウェイ大スターのジャネット(藤原紀香)が富豪の御曹司ロバート(なだぎ武)と避暑地で恋に落ち、人気の絶頂で突然結婚・引退を宣言します。結婚式当日に、いつも酔っ払っている花嫁介添え人ドロウジー(木の実ナナ)など個性の強い面々が勢揃いし、大騒動を起こして行くというものです。

 昨今、景気が落ち込み、暗い世相となっています。この舞台はそんな時代に生きる全ての人々に笑顔と元気をくれる、心温まる作品というふれ込み通り、心ゆくまで笑って、泣いて、劇場で楽しいひと時を過ごすことができました。ミュージカルの醍醐味は、日頃の実生活とは全く違った、華やかな世界に入り込み、日頃の悩みなど悉く忘れさせてくれるところにあるようです。皆さんも、悩んだ時には、ミュージカルを見てそれらを忘れ去るのも1つの解決法だと思いますが、いかがでしょうか。

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