東日本大震災からの教訓(その1)- 千年に一度のM9巨大地震

 忘れもしない平成23年3月11日に、1,000年に1回と言われる東日本大地震が東北地方で発生しました。何と言っても、今回の地震の大きな特徴は津波の脅威でした。

 手元には、本当にびっくりした津波のビデオが2本あります。1本は、如何に巨大な津波であったかを示したビデオです。海岸沿いの松林の向こうから30mは超すと思われる大きな津波が現れ、どんどん迫って来る映像です。手前の道路にはまだ何も知らずに何台もの車が走っています。

 1本は如何に津波が内陸部奥深く侵入してきたかを示したビデオです。平野部を津波がどんどん侵入しています。一番深い所で6kmまで侵入しました。この映像でも道路が見え多くの車が一生懸命逃げている様子がわかります。

 今回の大地震では、我々が予想しなかった様なことが次々と起こりました。また、今後30年以内にM8クラスの東海・東南海・南海3連動地震が87%の確率で発生すると言われています。我々はこれらの自然災害にどう対応していけば良いのでしょうか。今回から、この東日本大地震からまず我々が得た教訓は一体何だったのかについて、色々な角度から眺めてみたいと思います。

 まず第1回目は、今回の東日本大地震がどんなものであったかを再確認します。下図に示しますように、平成23年3月11日午後2時46分に震源地は宮城県牡鹿半島沖の東南東13kmで、震源の深さは約24km。マグニチュード9.0。最大震度は宮城県栗原市で7でした。

東日本大地震

 ここで、マグニチュードは地震のエネルギーを表すものです。当初の発表ではM8.8と言われており、これがM9.0に変更になりました。M8.8とM9.0では0.2しか違いませんが、実はエネルギーは2倍大きくなるのです。また、頻発しているM7とM9では、2違いますが、エネルギーは何と1,000倍違います。ですからM9というのはとてつもなく大きな地震と考えて良いと思います。

 また、震度は地震の揺れの度合いをあらわすもので、今回地震としては最大の震度7を記録しました。震度は現在震度0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10段階がありますが、今回は最大の震度となりました。震度7はこれまでにも日本で3回観測されています。1995年1月の阪神・淡路大震災、2004年10月の新潟県中越地震、2011年3月の東日本大震災です。

 図に示してあるように、今回の地震は、「プレート境界型地震」でした。震源地の付近では、太平洋プレートが、日本列島を載せる北米プレートの下に潜り込んでいますが、蓄積していたひずみに耐えきれず、北米プレートが跳ね上がって、地震が起きました。同時に海底で発生しましたので、津波を引き起こした訳です。地震のタイプとしては、今回の様にプレート境界型地震と、活断層に沿って起こる直下型地震があります。1995年に起こった阪神・淡路大震災は、この直下型に相当し、マグニチュード7.3、最大震度は7でした。しかし、プレート境界型と直下型では、地震のメカニズムが大きく異なるため、被害の状況も大きく異なるようです。

 何といっても今回地震の大きな特徴は、500kmという広い範囲に渡って地震の被害が起きたことです。死者・行方不明者合わせて2万4000人を超えています。阪神・淡路大震災の時は、6,439人でした。このような1,000年に1回起きる地震を我々はどのように捉えていけば良いのでしょうか、皆さんどう思われますか。

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