新世界秩序への誘い(その1)-歴代大統領にとっての「新世界秩序」

 2013年アメリカで「新世界秩序:秘密社会と支配母体」という番組が放映されました。制作はレオナルド・ウルリッヒという会社で、番組はUFOTVが担当しました。

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 「新世界秩序」という言葉は、世界統一政府による地球レベルでの管理社会が、現在の主権独立国家体制に取って替わるとするものです。

 この世界統一政府による独裁制の成立はクーデターのような目に見える形ではなく、国際通貨基金、世界銀行による金融的支配、欧州連合などの地域統合、NAFTAやTPPなどの自由貿易体制、これらいわゆる「グローバルな問題」を創出して宣伝することによって、国家の廃絶が必要であるという世論の形成を通して行われるとされています。

「新世界秩序」という言葉は、陰謀論として用いられることが多い様です。この様な陰謀論の面を持つ番組をアメリカの放送局が放映した目的は、
 1つはアメリカの大統領や各国のトップの何人かが彼等のスピーチの中で使っていること、
 1つは秘密にしているから陰謀論になるわけで、その考えを公開してやれば良いではないか、という考えがあったからの様です。

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 そもそもアメリカ合衆国は、この新世界秩序と密接に関係している様です。アメリカ合衆国の国章や1ドル紙幣の裏側には、新世界秩序に関わりの深いフリーメイソンのシンボルであるプロビデンスの目(神意、摂理)が描かれています。更に、国章の裏側にはラテン語で“novus ordo seclorum”と書かれており、直訳すると「時代の新秩序」となります。


 この番組には、これまでのフランス革命、アメリカ南北戦争、第一次、第二次世界大戦等の歴史上の出来事が、この新世界秩序を動かしているとするフリーメイソンまたはイルミナチという組織と密接に絡み合っている証拠を色々と示しており、なかなか興味深い内容でした。今回からそれを紹介させて頂きます。

 特に私が大いに興味を持ったのは、
(1)「新世界秩序」は陰謀論と言われながら、なぜ歴代の大統領がこれを引用するのか?
(2)エール大学の様な有名大学が、なぜ陰謀論の中心であるフリーメイソンに関与しているのか?
(3)「ヘーゲルの弁証法」という哲学的思考方法が、なぜ陰謀論の中で使われたのか?
という3点です。

 今回は、歴代大統のスピーチを紹介します。

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ウッドロウ・ウィルソン米国大統領 (1912~1918年)
 国際連盟の設立とベルサイユ体制の構築によって大国間の勢力均衡が大きく変化したことを指して「新世界秩序」という言葉を使っています。

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ウィンスト・チャーチル英国首相 (1930~1945年,  1951~1955年)
 第二次世界大戦の悲惨な帰結を見て、破滅的な世界大戦を避けるには、国民主権国家を廃絶し、世界政府の管理による恒久的な平和体制の実現が不可欠であるとして「新世界秩序」を使いました。

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ミハイル・ゴルバチョフソ連大統領 (1988年12月7日)
 全世界に向けて行った国連演説の中で、「私は、前に述べたことによってさえも、何故世界がそれほど大きく変わったのか、そして何故世界が「新世界秩序」や新しい文明の方向へと、大きく変わって行ったのか、説明することができない。」と述べています。

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ジョージ. H.W. ブッシュ大統領 (1990年9月11日) 
 湾岸戦争前に連邦議会で行ったスピーチ「新世界秩序へ向けて」の中で、「何に関わる問題であろうと、懸案となるのは全世界に関わる問題である。それは大きな考えである。そう、「新世界秩序」なのです。この困難な時に、我々の第5番目の目標、それは「新世界秩序」が出現することである。」と述べました。

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ビル・クリントン米国大統領 (1993~2001年)
 「1989年以降、ブッシュ大統領が、彼の言葉の中で言っていたこと、私自身しばしばそれを使うが、我々は「新世界秩序」を必要としている。さもなくば、我々は混乱に陥ってしまう様に思える。」

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バラク・オバマ米国大統領 (2008~)
「私は、我々の誰もが見たいと思っていると考えているが、そのような一種の「新世界秩序」を作り上げる機会を彼らに与えるべきである。」






 この様に歴代の多くの大統領が「新世界秩序」について語っています。新世界秩序と陰謀論の間にどのような関係があるのか興味津々ですが、皆さんはどう思われますか。




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