新世界秩序への誘い(その24)…不確定性原理でカオスの扉を開く

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 新世界秩序を目指す秘密結社フリーメイスン(主に極左セクトのイルミナチ)は、オカルト信仰を用いて信者の結束を図り、超自然現象である奇跡をしばしば起こして人々を信用させ、これまで多くの陰謀を企て、実現させてきました。

 奇跡という超自然現象を解き明かすに当っては、奇跡は「人の心・脳の働き・意識」との絡みで起こせるものであると考えておられる人々、小説家の京極夏彦氏やコンサルタントの高橋佳子氏を紹介しました。

 今回は、カオスという超自然現象を哲学的にまたは自然科学的に説明できるのかどうかを考えてみたいと思います。

 物理学の「量子力学」の世界では、一定の限界を超えたミクロの世界では、ある特定の出来事の発生時期や変化の様子を、正確かつ連続的に定めることは不可能で、その出来事の起こる様子を確率的な可能性として扱うことしかできない、という「不確定性原理」が存在します。

まず、量子力学でいうところの不確定性原理は何かをもう少し解り易く説明します。

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 不確定性原理は、約90年前の1927年にドイツの物理学者ハイゼンベルグによって提唱されました。電子の様なミクロな粒子を扱う量子力学の基礎原理の1つとされ、この領域の発展に大いに寄与し、現在は量子の物理量において成立する関係として定着しています。

 それでは、この不確定性原理とは何かですが、「ある粒子の運動量と位置を同時に正確に知ることは、原理的に不可能である」というものです。これを言い換えますと、「電子の様なミクロの物質は、観測されて初めて、位置や運動量は決定される。」と言うものです。

 この事実は、電子に光を当てて、電子の位置を調べる実験から判ったと言われています。

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 電子はあまりにも小さいので、もし光の波長が赤外線の様に長いと、光は電子を通り過ぎてしまい、電子の正確な位置はわからない。それでは、紫外線の様に波長を短くして衝突を確実にすれば良いかというと、今度は波長が短いために波の勢いが強くなって、電子を勢いよく弾き飛ばしてしまう結果になります。

 この様な訳で、電子を弾き飛ばしてしまうと、「電子がそこにあった」という位置については解るが、「その電子がどこから飛んできて、どこに飛んで行ったか?」という運動については、良く判らなくなるのです。

 これは、光の波長をどんなに上手く調節しても無理で、結局、「位置と運動量(質量×速度)を同時に正確に知ることはできない。一方を正確に知ろうとすると、一方が不正確になる。」ということになってしまうのです。

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 すなわち、電子の様なミクロの物質は、観測されて初めて、位置や運動量が決定されるのです。観測されない時に、電子が、どの位置にあるとか、どういう運動をしているかなどと、言ってはいけないのです。観測していないとき、電子の位置と運動量は、本当に「不確定」で決まっていないのです。すなわち、カオス(混沌)の状態にあり、測定されて初めて決まるのです。

 この様に、量子論の考えに基づけば、ある日突然、絶対不可能と思われる事象が起こっても不思議ではありません。少なくとも、そのようなことが起こる可能性を全面的に否定することはできません。

 これで少しずつ量子力学の世界と超自然現象の世界の接点が見えてきました。

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 さて、ここからはコンサルタントである高橋佳子氏の著書「逆転の運命」における「カオスと心の働きかけの章」を参照します。これを読んだ時、これは量子力学で言う不確定性原理に類似しているなと感じました。そこで今回は、「不確定性原理でカオスの扉を開く」ということで進めます。

 もともと「カオス」という言葉は、宇宙誕生前の形も何もない、あらゆる未来を孕んだ混沌とした状態を指しています。そこには、光も闇も、無秩序も秩序も、すべての可能性と制約が含まれているのです。

 私たちに訪れる出会いや出来事が未来にあるとき、それはまだ形も輪郭もなく、結果も出ていない「カオス」として存在しています。そこには、未来に向かうヴィジョンもあれば、問題の種、ありとあらゆる可能性と制約が織り込まれているのです。そして、私たちがそのカオスに関わることによって、それは1つの現実に結晶化します。様々な形に変化する可能性を持っていたカオスは、結晶化して、特定の現実として固定化されるのです。そして、私たちが一度触れて結晶化したカオスは、決して元のカオスには戻らないということです。

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 1つの具体例ですが、2016年6月、英国では国民投票によってEUからの離脱が決まりました。投票前、自国の未来に関する様々な議論が噴出していたとき、まだ事態はカオスでした。どうなるのか、形も結果も出ていません。どんな可能性や制約を語ることもできます。未来を想像することも自由です。しかし、投票日が来て、人々が票を投じ、離脱に決すれば固定化してしまいます。その後、どんな現実的な不利益が明らかになろうと、EU離脱という現実は、もう元のカオスには戻らないのです。

 人の人生が心の働きに基づき、選択で決まって行く訳です。量子理論の世界でも、時と場所が特定される時点で全てが確定し、決めないと何時までもカオスの状況が認められるというものです。一応、私も1人の科学者として、心の問題に取り組んでみましたが、一応の納得が出来ました。皆さんはどう思われますか。



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