コーヒーブレイク…白鳥を見るなら早朝か夕方がお勧め

 新潟県瓢湖は、白鳥の渡来地として全国的に有名で、ラムサール条約登録湿地です。2024年1月15日~17日にかけて、娘家族と一緒に訪問しました。目的は白鳥の観察です。

画像の説明

画像の説明

 2008年10月30日、瓢湖がラムサール条約登録湿地として正式登録されました。ラムサール条約は、湿地の保存に関する国際条約です。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で、1971年に制定され、1975年に発効されました。1980年以降、定期的に締約国会議が開催されています。「ラムサール条約」は、この条約が作成された地であるイランの都市ラムサールにちなむ通称です。現在、世界で158か国が加入しています(平成20年2月日現在)。

 白鳥は、毎年10月上旬に第一陣が訪れ、3月下旬まで滞在しています。11月下旬のピーク時には、5000羽を超える白鳥が見られることもあります。瓢湖に昼間来た人がよく言われることは「白鳥があまりいない」ということです。白鳥は、昼間は周辺の田んぼへ食事に出かけてしまいます。そのため瓢湖にはあまりいません。瓢湖が最も美しいのは日の出ごろで、朝焼けに染められた五頭連峰をバックに白鳥が飛び立つ姿は必見です。

画像の説明

画像の説明

 ハクチョウ(白鳥、swan)とは、カモ科の7種の水鳥の総称です。シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季は温暖な日本などへの渡りをおこない越冬する大型の渡り鳥です。現在、空を飛ぶ鳥の中では最大級の重量を有しています。おとなしいイメージもありますが、子育て中の野生個体は警戒心が強くなっており、雛を捕まえようとした人間を追い払う例も報告されています。日本語のハクチョウは、文字通り「白い鳥」という意味ですが、名称に反してハクチョウ属には「黒い鳥」である「コクチョウ」も存在します。

画像の説明

画像の説明

 寿命は野生で最長20年ほどです。ですが飼育状態では20年から30年ほどとなります。日本におけるハクチョウ、現在は「白鳥」という漢名が一般的ですが、「くぐい(鵠)」の古称をもち、「日本書紀」垂仁天皇の条などに記載があります。ヤマトタケルは、死後に白鳥になったという伝承があり、日本では古くから親しまれている鳥です。

 「優雅に泳ぐ白鳥も水面下では激しく足を動かしている」というフレーズが、漫画『巨人の星』の作中で登場人物の台詞として語られたことから有名になっています。これは原作者の梶原一騎による創作であり、実際にはそれほど激しく足を動かしているわけではありません。実際には、尻にある尾腺から分泌される油を羽繕い(はづくろい)で羽に塗りつけ、撥水性を持たせています。これによって羽毛の間に水が浸入せず、浮力を得られる仕組みになっています。餌付けされていない野生の白鳥は、マコモの茎や根、稲の落穂や水中の藻等を、水と一緒にすくいながら食べます。

 新潟県瓢湖には、えさやりを行う白鳥おじさんがいます。午前9時、午前11時、午後3時の1日3回、えさやりを行います。白鳥おじさんの「こーい、こーい」の声に白鳥やカモなどの水鳥が集まってくる様子は圧巻の一言です。白鳥やその他の水鳥がたくさん集まりますので、瓢湖に訪れる際はこの時間がおすすめです。

 「白鳥おじさん」とは、昭和29年、吉川重三郎さんが日本で初めて野生の白鳥の給餌に成功したことで全国的に有名となりました。2代目吉川繁男さんが平成6年に高齢を理由に引退してから20年近く不在となっていましたが、平成25年1月に3代目白鳥おじさんとして齋藤功さんが就任しました。今年度も白鳥のえさやり、瓢湖の環境整備を行います。

画像の説明

画像の説明

画像の説明

 雪で真っ白な大自然の中で、何千羽という白鳥が飛び交う様を、実際に自分の目で見ると本当に感動します。是非皆さんも出掛けて下さい。



コーディネーター's BLOG 目次