リート投資に関わる情報(その5)…2022年トピックス:物流REIT「勝ち組」降板
2018年の年末から2019年の年初にかけて、世界的に株式市場が大きく下落しました。それを受けて、資産保全や分散投資の選択肢(ヘッジ先)として、J-REITが大きく買われました。
2020年3月のコロナショックで一旦は値を下げましたが、その後は外国人投資家の急増もあって値を上げました。2021年に入るとREITは世界で高値をつけて調子良くなりました。コロナ禍により、世界において金融緩和政策が取られ、投資資金が潤沢になったことによります。日銀も2021年12月の金融政策決定会合において、短期金利をマイナスにするとともに、長期金利がゼロ%程度で推移するよう国債を買い入れて、市場に潤沢な資金を供給する今の大規模な金融緩和策を維持することを賛成多数で決めています。
2022年に入ると、収益悪化懸念と金利上昇のダブルパンチで、REIT価格は以降大きく下落して行きます。

日経新聞2022年6月3日掲載記事からです。
不動産投資信託(REIT)市場で、ネット通販拡大を背景に資金流入が続いてきた物流系に異変が起きています。物件の需給悪化や指標面での割高感が意識され始めました。経済再開発を手掛かりにホテル系などに資金が集まり、新型コロナウィルス禍の「勝ち組」交代の様相を呈しつつあります。

物流系はもともと、新型コロナの感染が広がっていた2020~2021年は「1人勝ち」していました。ネット通販の利用が広がり物流拠点の需要が急拡大しました。「ウィズコロナ」銘柄の本命として投資口価格(株式市場の株価に相当)が急ピッチで上昇していました。
足元ではその勢いに陰りが見え始めています。「建て過ぎ感はある」と過剰な供給を警戒する声が出ています。一五不動産情報サービスによると2022年4月は東京圏の物流施設の空き室率は3%と5四半期連続で上昇しました。2021年1月には0.2%だったのが、2年9ケ月ぶりに3%台まで上昇した。空き室率が上がれば賃料の伸びが止まり、配当金などリターンに影響を与えます。物流業界の関係者からは「大型連休明けから荷物が大きく減ってきた」という声が聞かれます。大和運輸の小口貨物取扱実績をみると、2021年秋ごろから伸び率が鈍化傾向でした。

ここにきて日本のREIT投資家のテーマは経済再開(リオープン)にシフトしています。昨年末比で20%高のいちごホテルリート投資法人や、同18%のジャパン・ホテル・リーチ投資法人などの好調さが目立ちます。米調査会社STRがまとめた国内ホテルの全国平均稼働率は、2022年4月時点で56%と回復余地は大きく、6月から外国人観光客の受け入れが再開されることも追い風です。

市場では「米国などと比べ半周遅れたリオープン期待の織り込みが進んできた」との見方は多いようです。主要なホテルREITはなおNAV倍率が1倍を下回っており、割安感もあります。客室単価を機動的に上げ下げできるため、インフレ耐性が期待できるとの声もあります。投資家は「ポスト物流」の銘柄探しに動き始めています。皆さんどう思われますか。