リート投資に関わる情報(その10)・・・データセンターREITの創設

2025年6月6日経新聞掲載記事

 金融庁は不動産投資信託(REIT)の対象に新たにデータセンター設備の組み入れを認める方針です。生成AI(人工知能)やクラウドサービスの普及などを背景に、データセンターの新設が増えています。家計の投資先の選択肢を増やすとともに、成長分野に投資マネーを回りやすくする狙いです。政府は6月内にも閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に組み入れを促すと明記する見通しです。

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 REITは投資家から資金を集めてオフィスビルなどの不動産を購入し、その賃料を投資家に分配する金融商品です。不動産を持つ企業はREITに物件を売却(流動化)することで資金を確保し、新たな物件開発や事業展開に充てることができます。国は一定条件を満たすREITの法人税を免除し、円滑な不動産開発を促しています。

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 政府は投資信託法などでREITの投資金額の5割以上(東京証券取引所に上場する場合は7割以上)を建物などの不動産とすることを求めています。データセンターの建物はREIT対象として認めていましたが、設備が対象外となるため5割以上の基準を満たせないケースが多く、データセンターを扱うREITがほとんどありませんでした。建物に加え、設備の一部も対象として新たに認めることでデータセンターを専門に扱うREITを組成しやすくする狙いがあります。

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 新たに対象とするのはデータセンターに設置する一部の冷却装置や非常用電源などが認定されます。データセンターを組み入れたREITは賃料に相当する使用量を利用会社から徴収し、投資家に分配する仕組みが想定されます。企業はデータセンター設備をREITに組み入れることで自社で保有しなくて済み、資本効率の改善につながります。

 REITに組み込める不動産の定義はあいまいで、業界団体から明確な基準を定めるよう求める声が上がっていました。金融庁は財務省や国土交通省などとの調整を経て、年内にも事例集といつた形でデータセンター設備を含んだ対象範囲を明確に示す予定です。

2025年7月12日の日経新聞掲載記事

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 日本の上場REIT(不動産投資信託、J-REIT)がアジア首位の座を脅かしています。NTT系データセンターREITが上位先に選んだのは、本国ではなくシンガポールでした。安定重視のあまり成長分野の取り込みが遅れている日本ですが、世界首位の米国との差が開くばかりか、アジア首位も盤石ではありません。


 「J-REITにとって屈辱以外の何ものでもない」と、東海東京インテリジェンス・ラボのN氏は悔しがります。NTTデータグループ傘下の「NTT DCリート」は14日、シンガポール証券取引所に上場しました。

 NTTデータはデータセンター事業で米国のエクイニクスとデジタル・リアルティ・トラストに次ぐ世界3位です。生成AI(人工知能)向けにデータセンター需要の拡大が見込まれる中、成長銘柄の上場を東京証券取引所が逃がしたことで、業界に衝撃が走りました。

 DCリートは米国とオースリア、シンガポールにある6つのデータセンターを組み入れており、新規株式公開(IPO)で7億7300万ドルを公募します。シンガポール政府系ファンドGICが約1億ドルを出資するなど、国を挙げて誘致した2026年3月までの9カ月間の年間想定利回りは7.5%と、シンガポールのREITの平均的な利回り(5~6%程度)より高めを見込んでいます。

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 「日本のREITにデータセンターを組み込むことは非常に困難だ」と、運営会社のT氏は7日の現地説明会でこう指摘しました。「日本の市場はグローバル資産に対してフレンドリーでない」と述べています。REITの世界時価総額は2兆2361億ドル(328兆円)で、米国が1兆5451億ドルと7割を占めます。シンガポール(720億ドル)はオーストラリア(1231億ドル)や日本(1061億ドル)、英国(725億ドル)に続く5位です。それでもシンガポール市場が魅力的に映ったようです。皆さんどう思われますか。



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