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企業防災BCP策定セミナー 実務紹介編 第1回

 平成23年から始まった企業防災BCPセミナーも今回で5回目のクールとなりました。今回は三重大学社会連携研究センター四日市フロントと中小企業家同友会さんとの共催で進めています。今回のクールでは、講義の中で実施しているグルーブ討議、DIG、ケーススタディ、避難訓練といった実務について、セミナーに参加された(株)環境思考さんを通して取り上げて行きます。

 (株)環境思考さんは、リサイクル品の回収ステーションを運営されています。ポイント機を置き、持ち込まれたリサイクル品の重量に応じてエコポイントを付与して、地域コミュニティにおいて商品交換を行おうとする試みです。
 この仕組みの中で、CO2削減にどの程度寄与しているのかが判るシステムを開発されました。同時に大台町のJ-VER制度と連携してカーボンオフセット活動を進めています。

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 (株)環境思考さんは、四日市市の資源リサイクルの回収業者である(有)三重古紙センターさんから分離された会社で、ポイント付与システム運用をコアとされているコンサル会社さんです。このBCP策定セミナーには、(株)環境思考さんからは水谷さん(写真左)が三重古紙センターさんからは大川さん(写真左)がコンビを組んで参加されています。





 BCP策定セミナー第1回講義での実務としては、グループ討議「現状とあるべき姿」が行われました。Aグループ、Bグループの2班に別れ、(1) 第1ステップ(危機管理の現状)、(2) 第2ステップ(危機管理のうあるべき姿)について話し合われました。各班とも9人ずつの構成で、(株)環境思考さんはAグループに入り、書記を担当されました。

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 グループ討議では、最初にリーダー、書記、発表者が決められ、その後テーマに沿って討議を進め、グループのまとめを模造紙に書き、最後に発表が行われます。所要時間は1時間程度です。
 
 グループ討議の特徴ですが、メンバー同士の相互作用を通して、各メンバーの持つ知識・経験・長所・持ち味などが互いに刺激しあって、相互啓発の効果を生むことが期待できます。今回も結構討議は盛り上がりを見せました。



 第1ステップの危機管理の現状は、「事前アンケート調査票」に基づいて討議を行うもので、調査票では危機管理等防災への備えについて、下記の4つが問われています。
(1) 防災マニュアル(危機管理マニュアル等を含む)が整備されていますか?
(2) 防災教育、防災訓練を実施していますか?
(3) 事業継続計画(BCP)を策定していますか?
(4) 貴社の事業に東日本大震災の影響がありましたか?

 この設問は、各社に、防災計画とBCP計画の違いは分かりますか、日頃からPDCAの輪を回す訓練をしていますか、サプライチェーンの問題を考えていますか、を暗に問うものです。(株)環境思考さんは、いずれの問いに対しても「いいえ」ということでした。従業員3名の小規模企業で、今回のセミナーでは全くゼロからのスタートとのことでした。何ができるのかをはっきりさせることをこのセミナーでは望んでおられます。

 第2ステップの危機管理のあるべき姿については、(株)環境思考さんは「地域に根差した回収ステーションでありたい。」さらに、「防災の発信ができるようになりたい。」と願っておられます。そのためには、地域貢献の立場で回収ステーションの在り方を考え、地域の皆様に何らかの形で活用してもらうようにしたいとのことです。

これから半年間頑張って追跡したいと思います。