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企業防災BCP策定セミナー 実務紹介編第5回

 企業防災BCP策定セミナーの5回目の講義が1月16日に行われました。今回はロールプレーイングを交えた避難訓練を実際にやってみました。

 ロールプレーイングの重要性については、次の様に言われています。それは、「立派なBCPマニュアルがあっても書類だけでは、いざという時何の役にも立たない。BCPマニュアルを防災行動に移せることがどうしても必要である。」というものです。訓練でできないことは実際の場面でもできる訳がないというわけです。

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 実際に会社で働いている時間帯に大きな地震に襲われたら、組織としてまともに行動できるかどうかが問われます。そのためには、日頃から非常時の災害対策本部の立ち上げられる体制になければなりません。今回の訓練では図に示す体制がとられました。
災害対策本部長(専務)
副本部長(総務部長)
防災担当1(総務課長)
防災担当2(経理課長)
総務班長、業務班長、対外班長、支援班長

 避難訓練の基本的流れは次の様になっています。ここで重要なことは、各担当者がどういう役割を果たすのかです。

Step1. 机の下に隠れ、揺れが収まるのを待つ。
Step2. 安全を確認した後、けが人がいれば救助、ガス漏れのチェック、火の発生があれば
    初期消火を行う。
Step3. 次に駐車場等安全な場所へ一斉避難する。
Step4. 集合したら部毎に人員点呼。
Step5. 災害対策本部を設置し、各部門状況把握を行う。
Step6. 各班へ初期対応行動を支持する。
Step7. 第2回目の災害対策会議を開き、
    (1) 総務班からは、安否確認、避難状況を
    (2) 対外班からは、報道情報、電源・通信の状況、その他ライフライン
    (3) 支援班からは、支援可能要員、地域支援の状況
    (4) 業務班からは、避難所整備状況と、非常用食料、水、トイレ、寝具の調達
Step8. 帰宅判断検討、今後の活動計画、
Step9. 方針伝達、社長報告

 一般に行われている避難訓練では、避難場所に集って点呼するところで終わりますが、今回は災害対策本部を立ち上げて状況把握、基本方針の伝達までを完結させていることが大きな特徴です。

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 追跡調査をやっている㈱環境思考の水谷さんは、今回の避難訓練では支援班長の役割を勤められました。水谷さんの感想は、「突然これこれの役割をと言われても急には対応できません。今回はせりふが準備されていたからできましたが、これがなかったら何を指示して良いか分かりません。日頃から繰り返し訓練しておく必要があることを強く感じました。また、実際には色々なパターンがあるので、色々な内容の訓練をやることも必要ではないでしょうか。」

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 この後、今回の避難訓練で良かったこと、悪かったこと、そして今後再度訓練するに当り、どういう留意点が必要かについてグループ討議を行いました。色々な意見が出ました。





(1) 組織としての安全確認の前に、まずは家族の安全確認を行う必要がある。そのために、
  安否確認方法として、「家族のための171」「組織のための安否確認システム」を導入
  しておく必要がある。
(2) まずはBCPマニュアルを取り上げ、全社員で取り組むことが出来るような空気・意識を
  作り上げる必要がある。
(3) 避難訓練は何回も繰り返し、会社に合ったアレンジをしていくべきだ

が出されました。