平成28年度 事業報告書
テーマ:多文化共生 「紙芝居と折り紙を用いた日本語モデル事業」
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【事業概要】
本事業は、外国人市民の多く在住する四日市市における、多文化共生および日本語学習向上を目的に、平成25年度より三重大学社会連携研究センター四日市フロントが取り組んできました。
平成28年度からは、人文学部の地域連携の取り組みの一環として、紙芝居の内容も新たに四日市市内の保育園および幼稚園3園を対象に実施されました。
実施主体:
NPO法人ハートピア三重(〒510-0851三重県四日市大字塩浜大里町4100-1)
三重大学人文学部地域連携協力(〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577)
対象園:四日市市立笹川保育園(〒510-0944 三重県四日市市 市笹川6丁目29−2)
四日市市立笹川西保育園(〒510-0944 三重県四日市市笹川9丁目16−3)
四日市市立笹川中央幼稚園(〒510-0944 三重県四日市市笹川3丁目157)
実施日 全5回:
第一回:2016年6月13日(月)
第二回:2016年7月12日(火)
第三回:2016年10月12日(水)
第四回:2016年12月5日(月)
第五回:2017年2月16日(木)
【取り組みの概要】
これまで紙芝居は、平成25年度が「ネズミの嫁入り」、平成26年度は「浦島太郎」、平成27年度は25年度と同様「ネズミの嫁入り」をテーマにしました。
平成28年度は「鶴の恩返し」をテーマに、平成27年度と同様に、読み聞かせと折り紙クラフトに取り組みました。
実施内容:
第一回:2016年6月13日(月)
1笹川保育園 9:30~
2笹川西保育園 10:40~
3笹川中央幼稚園 13:00~ 実施
各園ともに、まずNPOハートピア三重の担当者より紙芝居の読み聞かせを実施。特に保育園では、子どもらは入園したてで、まだ静かに話を聞くということに慣れていないとのことだったが、最後まで集中することができていました。
紙芝居を聞いた後、実際に子どもたち自身で紙芝居を作っていきます。講師に教えてもらいながら花の折り紙を折り、あらかじめ準備された台紙に貼っていきます。
この日は表紙となる1枚を完成させました。講師が「作家さんの描いた表紙とみんなが作った表紙、どっちがいい?」と尋ねると、大きな声で「こっち!」と自分たちが制作した表紙を指差していました。
第二回:2016年7月12日(火)
1笹川西保育園 9:30~
2笹川保育園 10:40~
3笹川中央幼稚園 13:00~ 実施
2回目となる今回は、鶴女房が男の家を訪れるシーンを作成。白い雪玉を折り紙で折り、吹雪の風景をつくっていきました。
第三回:2016年10月12日(水)
1笹川中央幼稚園 9:30~
2笹川保育園 10:40~
3笹川西保育園 13:00~ 実施
3回目は、鶴女房と男が夫婦になり、布を織り始めるシーンを作りました。あらかじめ準備されている折り紙を張るという簡単な作業に、もう少し難しい折り紙を折りたいと少し不満そうな様子が印象的でした。
第四回:2016年12月5日(月)
1笹川西保育園 9:30~
2笹川中央幼稚園 10:40~
3笹川保育園 13:00~ 実施
12月にもなると、園での生活に随分と慣れたのか、リラックスした雰囲気の中、取り組むことができました。手順もすっかり理解しているのか、「今日は何をつくるのー?」と元気に尋ねてきます。
第4回目は、女房が織った布が「殿様に高く売れた」と喜んで話す男の場面と、布を織る鶴女房のシーン、2枚をつくりました。
第五回:2017年2月16日(木)
1笹川中央幼稚園 9:30~
2笹川保育園 10:40~
3笹川西保育園 13:00~ 実施
最終回となる第5回目。子どもらはまず最後の1枚、鶴女房が男の元を去るシーンを制作しました。
すべての紙芝居が完成。子どもらが制作した紙芝居を元に、園長および保育師さんに参加してもらい、簡単な芝居実演を行いました。先生方は、普段から子どもらと遊戯などで慣れているのか、準備した台本(巻末参考資料)に関係なくアドリブで演技していた姿が印象的でした。
自らが制作した紙芝居の出来栄えと、それを元にした出し物を見ながら、子どもらは1年間に渡る取り組みの意味を理解した様子でした。来年小学校へ進学する幼稚園などでは、「小学校へ行くための良い準備ができました」と高評価でした。(各園での取り組み評価についての詳細は、別紙アンケート結果を参照のこと)
各園の紙芝居完成品は次の通り。
参考資料1:各園のアンケート結果
参考資料2:最終日に利用した台本